てきぱき物語

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- マコト(22)
- 「夢は社長!」の新人2年目社員。気立てはいいがおっちょこちょい。いつもドジを踏んでは先輩にたしなめられている。

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- ナオコ(26)
- 総務部管理課のしっかりもの(ちゃっかりもの?)。何でも背負い込む姉御肌でいつも仕事で手一杯。有望な新人のマコトに期待するのだが。
もくじ
第5話『財務の姉さんアナログ時代を語るの巻き』
- キョウコ
- ・・・わかりました。今日説明してもらったサービスのすべてとはいかないと思いますが、 会社にとってメリットがある提案ですので、導入を前向きに検討したいと思います。
緊張し、何度もかんでしまったつたないプレゼンテーションが終わりほっとしていたところに、 財務のキョウコ姉さんが前向きに検討すると言ったことで、マコトは思わずうるっとなってしまった。 それもそのはずで、あの日ナオコ先輩に説明したサービスについて、マコトはその後時間をかけて調べなおし、 サービス提供企業からも必要な情報を入手した。さらにここ数日間は、コストを算出し、わかりやすくコストメリットが出るような プレゼンテーション資料を集中して作り上げたのだ。マコトにとって入社以来初めて、一人で真剣に取り組んだ仕事と言っても過言ではない。 プレゼンテーション自体は決していい出来ではなかったが、キョウコのその言葉で報われた気がしたのだった。
- 後輩
- ありがとうございます!よろしくお願いいたします。
- 先輩
- 当社の課題をほぼクリアする事案ですから、是非よろしくお願いします。
- キョウコ
- 承りました。
それにしても、あのマコト君がちゃんとロジック立ててプレゼンするようになるなんて、ホント驚きねー。 入社当時の姿からは想像すらできなかったわよ。
砕けた口調に変わり、マコトの入社当時を懐かしむキョウコの笑顔に、心からほっとしたマコト。
- 後輩
- いや・・・その・・・
僕も一応社会人2年目ですから。
バツの悪さもあって、顔を赤くしあわてふためく。
- 先輩
- マコト君にはこのところ本当にがんばってもらったんですよ。 プレゼンしたサービスも全部彼一人が調べて、必要なら企業にアポとって・・・。 本当に成長したなと私も実感しています。
(まさか、先輩がそんなフォローするなんて!ただのお調子者だと思っていたのに・・・。) マコトは思わず、隣にいたナオコ先輩の横顔をまじまじと見てしまった。
- キョウコ
- そのようね。
先輩にも恵まれたわね、マコト君。
- 後輩
- はい!いつも助けていただいてます。
- キョウコ
- それにしても、このごろは何もかもがデジタルで、本当に便利な時代になったとつくづく思うわ。
マコト君たちには想像もつかないと思うけど、私が入社したころはまだアナログの世の中で、 コンピュータは顧客のDB用に社に1台か2台しかなかったの。
- 後輩
- メールがなかった時代ってどうしてたんですか?連絡とか?
資料作成だってアプリケーションがないとできないし・・・。
まったく想像できないですね。
- キョウコ
- 海外・国内とも連絡は電話、もしくはFAX。資料作成は、ワープロね。 今考えればもう少しのんびりした時代だったかもね。 今はメールもあるし、携帯電話もあるけど、そのかわりネットワークがダウンしたら何もできなくなっちゃうものね。
- 後輩
- そうなんですね。
行き違いでトラブルとかはなかったんですか?
- キョウコ
- もちろんあったわよ。
海外から輸入した製品の数が違っていたから問い合わせると、数量については確かに電話で伝えたって。 そんなはずないと言っても、向こうも一歩もひかないの。FAXでも確認したはずだって言っても届いてないとか言われてね。
メールはそんなリスクを軽減してくれるツールね。でも機械だから壊れない保証はない。 なのに、当たり前のように使用している人たちは、ダウンしたら全部システムの所為にする。 で、何もできなくなってパニックになったりね。
そんなときこそ、日ごろのコミュニケーションが生きてきたりするの。 アナログの時代もデジタルの時代もそれは変わらない気がするわ。
マコトは、財務のキョウコ姉さんの話をしみじみと聞いた。 そして、これがきっかけで彼女への苦手意識が次第に薄れていくのを感じていた。
第6話へつづく


