DesktopVPN いつでも、どこでも、必要なときに、インターネット経由でオフィスや自宅のPCを遠隔操作! リモートアクセス DesktopVPN

SaaS事業に注力するソフトバンクBBが提供する最新サービスのひとつに、外出先から会社のコンピュータを安全かつ簡単に遠隔操作できるリモートアクセスサービス「DesktopVPN」がある。この画期的なサービスのソフトウェアを開発したのが、ソフトイーサ株式会社の登大遊氏だ。
弱冠23歳の若き天才プログラマー、学生起業家として世間の注目を集める登氏だが、そのプログラミング歴は小学生の頃までさかのぼるという。小学校2年生でパソコンに触れてプログラム言語Basicを学び始め、高校生の頃にはほとんどのプログラム言語をマスター。大学1年生の18歳のときに開発したVPNソフトウェア「SoftEther」が大きな反響を呼び、2004年にスーパークリエータ/天才プログラマーに認定(独立行政法人情報処理推進機構)された。その後19歳でソフトイーサ株式会社を設立し、「SoftEther」の後継である「PacketiX VPN」を発表する。今回ソフトバンクBBが取り扱うこととなった「DesktopVPN」は、ソフトイーサ社がβ版としてダウンロード提供していた「PacketiX Desktop VPN」を日本SGI株式会社がSaaSサービスとして商品化したものである。
氏のソフトウェアや論文は、経済産業大臣表彰受賞(2007年)をはじめとする華々しい賞歴が示すように高い評価を受けている。また、彼自身も時代の先端を切り開く次世代プログラマーとして、さまざまなメディアに登場。今や、業界はもとより広く世間の注目の存在となっている。
現在も企業経営者と筑波大学の大学院生という二足のわらじを履く多忙な登氏だが、この度ソフトバンクBBテキパキ推進委員会のインタビューに応じてくれた。




いわゆる挫折ということはありません。だいたいそのような不利益なことが起きる場合は、事前に十分な前兆があり、予測することが可能であると考えています。これまでの経験上、事業を順調に成長させるためには、その業務執行者の心得としては、事業を行うにあたって、個人的な利益に拘るのではなく、できるだけ大局的な、いわば公共の利益について考えることが必要であると実感しています。このような考え方からいつの間にか外れてしまうと、物事はあまりうまく進まなくなってしまうのではないかと思います。したがって、物事があまりうまく進まないような傾向が見られると自分で気付いたときは、できるだけ、元の考え方に復帰することが重要であると考えています。多くの人に役に立つ技術やサービスを提供する企業は、いったん公共の利益のために何か事業を行うことを決心したら、その後は、自身の目先の利益はとりあえず置いておいて、大局的な見地にたって物事を熟考しつつ進んでいくことが必要だと思います。
現在、私は会社を経営していますが、このような経営者という仕事は、職業としては、単独の職というよりも、いろいろな要素の職務を同時にこなすことができる特別な職業であると思っています。仕事の内容として、会社の運営やソフトウェアの開発戦略について考えることや、対象となるソフトウェアを自分でプログラミングすることなどがメインの職務内容ですが、それ以外にも、例えば地域でデータセンター等のビジネスを企画したり、大学発ベンチャーの起業件数が増えるようにいくつかの支援策を実施してみたりするといったことも行っています。また、会社代表者としては、本業以外にも、必然的に、付随する色々な分野に関わる必要が生じるため、それらの分野に関する実践的な知識が自動的に身につきます。たとえば、財務・会計上の知識、会社法・民法・商法等の法律学や訴訟上の知識、他の会社や公的研究機関等との取引・契約に係る知識などです。これらの分野は、必要がないときに勉強しようとしてもなかなか意欲がわかず勉強にならないと思いますが、必要があるためにこれらを勉強しようとすると非常に効率よく進むことを発見しました。こういう訳で、色々な分野に関するある程度実践的な知識を増やすことができてきましたので、当面の間は、ソフトイーサ株式会社の経営をやるつもりですが、いつでも特定の専門分野の仕事をすることはできます。会社の起業・運営をする人は、こういう特典が得られるので、大変有益だと思います。


まず、DesktopVPNのビジネス化にあたり、日本SGI様と契約するにあたってのいきさつを説明しましょう。DesktopVPNの最初のベータ版を公開したのは、2007年1月でした。当時は、本ソフトウェアは無償で配布しており、商用化に関してはほとんど計画していませんでした。その後、本ソフトウェアを商用サービス化したいという打診を、複数の会社から、いくつも受けました。弊社は、本ソフトウェアのサービス化を希望する企業にライセンス供給する以上、一旦締結した継続的契約の内容を長期にわたって遵守し、例えば本サービスの場合は、エンドユーザーに対して誠意をもってサービスの継続・安定的提供を維持するという責任を果たせる企業であることを条件に契約を締結したいと考えていました。そのような中、日本SGI様からDesktopVPNをサービス化したいというご提案をいただき、ちょうどこの条件を満たす素晴らしい提携先であると考え、ライセンス契約を締結させていただきました。本サービスは、SaaSの形態をとっていますが、極めて多数のユーザーが同時時刻に利用する一種の通信サービスでもあります。サービスが一時的にでも停止すれば、多くのユーザーに影響が出てしまいます。一旦サービスを開始した後は長期にわたって安心してサービス運営を任せることができる企業として日本SGI様と提携できたのは、大変幸運でありがたいことであると考えています。さらに、将来何か予期しない事態が生じたことにより、ソフトイーサ社がうまく事業を継続できなくなった場合でも、エンドユーザーに対してはDesktopVPNサービスが継続提供されるようにし、ユーザーに影響が出ないようにするための特約を、日本SGI様との間で交わしています。このような万全の体制をとっていますので、エンドユーザー様におかれましては、ぜひ安心してDesktopVPNサービスを利用していただければ幸いです。
ソフトバンクBB様の法人向けサービスでDesktopVPNサービスが拡販されたことは非常に嬉しいことです。日本の企業には、未だに「VPN」という言葉があまり認知されていません。これは、VPNは便利であっても非常に運用が難しい技術であるという固定観念が原因となっているのではないかと思います。しかし、DesktopVPNはVPN通信によるリモートアクセスを実現しますが、ユーザーによる使用方法はこれ以上無いという程度に簡単であり、同時にセキュリティも十分に考慮されています。したがいまして、今後とも是非DesktopVPNサービスをより多くの企業ユーザー様に利用していただき、サービスのユーザー数が増えることにつなげていただくだけではなく、「VPN」という用語やその便利さについての認知度が高まる方向にお力添えいただければ大変ありがたいと考えています。

ソフトイーサ社は、当初はVPNソフトウェアの開発・販売のために立ち上げましたが、関連する分野を勉強していく課程で、色々と新たな分野についても事業の対象としようとしているところがあります。詳しくは事業上の秘密ですが、短期的には、企業における通信でこれまでコストがかかり実現することが難しかったようなことを容易に実現できるようにするサービスを提供するということを近々行いたいと思います。これは、ソフトウェアのみの話ではなく、ハードウェアも含まれます。
長期的なビジョンというか、目標の話では、何か技術的なことに熱中し創造的な活動をより行いやすい社会の実現に寄与したいと考えています。現在の世の中では、何か技術的なことに熱中し創造的な活動を行うというのは結構難しいことであります。これらは特異なこととして見られることがあり、必ずしも一般的なことではないばかりか、あまり普通以外のことばかりやっている人を軽蔑するような風潮があると思います。創造とはこれまでにないものを作ることなので、普通な事でないのは当然です。また創造的行為を行うときは楽しみのためにそれを行うという心情で実施するのが最良です。しかし、現在の社会は、何かを楽しんで作ろうとする人がものすごく沢山の負担を強いられ、何もしようとしない人が楽になっているような気がします。これからは、創造的行為を楽しく行おうとする人がいつでも周囲から支援されるような社会環境を構築していこうと思います。

「天才プログラマー」としてメディアに取り上げれられることの多い登氏へのインタビューということで、専門的な話題や用語についていけるか心配だったのですが、実際にお会いした登氏はとても誠実でやさしい雰囲気の方で、素人の我々にも十分理解できるように言葉を選んで整然と話していただけました。
子供の頃からプログラミングに夢中になったという話の中で、コンピュータ自体は意思を持たないが、プログラミング言語を組み合わせることで、人間の操作によって自在に動かせるようになるところにとても魅力を感じると語ってくれたことが印象的です。
また、最近話題のiPhoneやモバイルソリューションに対する意見を伺ったところ、例えばそういったモバイル端末にVGA端子を搭載すれば、プレゼン資料などはモバイル端末に入れておいて、外出先でプロジェクターにつないでスクリーンに投影するような使い方ができ、重いノートPCを持ち歩く必要もなくなるという意見をいただきました。PCに代わるモバイル端末の用途として現実的で面白いアイデアではないでしょうか。
こういった話もそうですが、全体のインタビューを通して伝わってきたのが、「自分が作りたいものを作る、しかしそれが同時に社会に貢献できるものでありたい」という彼の信条です。単に技術一辺倒に走るのではなく、常にユーザーの視点を忘れずに公共性を使命として意識している点に、氏のプログラマーとしての矜持と企業経営者としての自覚が伺えて、大変興味深かったです。


筑波大学大学院システム情報工学研究科コンピュータサイエンス専攻博士前期課程所属。
ソフトイーサ社代表取締役会長。
筑波大学先端学際領域研究センター(TARA)客員研究員、同大学術情報メディアセンター共同研究員。
独立行政法人情報通信研究機構(NICT)特別研究員。
独立行政法人科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業CREST「自律連合型基盤システムの構築」研究メンバー。
WIDEプロジェクトメンバー。

2003年に筑波大入学後、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の未踏ソフトウェア創造事業未踏ユース部門に採択されVPNソフトウェア「SoftEther」を開発。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)によるスーパークリエータ/天才プログラマー認定取得。
2004年に筑波大学発ベンチャー「ソフトイーサ株式会社」を設立。
同社でPacketiX VPNを開発、2005年末に製品化。
筑波大では2005年より産学リエゾン共同研究センターで産学連携推進プロジェクトとして採択され研究実施中。

「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー 2006」(IPA, 2006年)、「経済産業大臣表彰」(情報化月間・情報化促進貢献, 2007年)等を受賞。



